防音室を検討している方へのアドバイス

自分の理想とする防音室を創るために

「自宅に防音室をつくりたい!」 そう思われるあなたは、音に対して類い稀な感性をもつ方と言えるでしょう。

すでにご承知のとおり、あなたが思い描いている空間は「特別な機能を持った部屋」です。

 

楽器演奏・オーディオなど用途によってチューニングされた防音室は心地よい音環境を作り出し、その方の感性にさらに磨きをかけることが可能です。 そして実際に防音室を構築する時に一番頭を悩ませるのが「どの業者に依頼したら自分の思い描いている防音室を創ってくれるのか?」ではないでしょうか?

 

防音工事は決して安い買い物ではありません。その金額に見合った性能もちろん、あわよくばコスト以上の性能が欲しいと思うのが人情というものです。 しかし「音の良し悪しは判るけれども、音の理論や工事内容は分からない」という方が殆どだと思います。

そこで、弊社からアドバイス!

お客様自らが最低限必要な知識を持つことで、信頼出来る業者かそうで無いかを見極める事が出来ます。

 

防音室設計のあらまし

防音室を創るには、遮音設計(音を止める遮音性能の設計)と音響設計(室内空間の音の響きを整える設計)の2種類の設計が最低限必要となります。実際のトコロこの設計が出来る業者はかなり少ないと思います。

殆どの業者は、今まで施工した経験だけを元に防音室を製作しており、そしてこれは「音を止めれば良い」という画一的な設計になりがちです。しかし実際には個人個人の住宅環境が違うのが現状ですので、個々に見合った設計をする必要が生まれます。

例えば、閑静な住宅街の1戸建てに住む方もいれば、都心の高層マンションに住んでいる方もおられます。またマンション一つだけを採っても、それぞれ使っている材料も違えば構造も違います。当然、それに見合った防音設計(遮音・音響設計)が必要なのですが、経験と実績が有ると言う「ウリ」だけで施工する業者が多いのが現状です。

弊社には、せっかく作った防音室が性能を発揮せずご相談されるお客様も少なくありませんが、もしかすると本当に必要な防音室を購入出来ず「泣き寝入り」せざるを得ない状態になっている方もいらっしゃるかもしれません。そのような事態にならないように、あなたが最低必要な知識を持って納得頂ける防音室を購入出来る手助けをしたいと思います。

特別な環境である防音室を創るにはそれ相応の費用が必要となります。低コスト重視にすれば、思っていた内容の防音室では無い防音室になってしまうと言う事がかなり有ると思います。

防音(遮音)機能のある部屋を創るには、畳1畳辺り、25万円~35万円程度、高遮音になればそれ以上の金額がは掛かって来ると思います。それ以外に室内音響を含めるとそれ以上のコストが必要となりますが、理想の音空間を求めるには必要なコストとなります。

 

防音室設計のチェックポイント

以下のチェックポイントを明確に回答してくれる業者さんは信頼できると言えるでしょう。

防音室本体の単体遮音性能は、Dr値で幾つになるか。

※Dr値とは、防音の遮音性能を表す単位の事です。

※Dr値の数値が高ければ高いほど遮音性能が良いと言う事になります。

総合遮音性能は、Dr値で幾つになるか。

※防音室と建物の両方の遮音性能を含めた性能の事です。

※「防音室Dr-35」と「一般的な住宅の場合Dr-30程度」の場合、総合遮音性能は、Dr-45~50程度となります。

※Dr-45~50程度となるのは、一般的な住宅の場合は遮音性能の事を考えて建てる事が無いので、遮音的な欠損がどこかに有るから「程度」となってしまします。

室内音響はどの程度の音響に調整してくれるか。
また楽器ごとのチューニング指針はあるか。


※ピアノの場合、推奨されている吸音率(響き程度):0.19と言われていますが、部屋の大きさによって、この0.19よりデッド・ライブに設計する必要が有ります。

※6畳にグランドピアノを設置する場合は、ピアノの推奨吸音率:0.19で設計・施工したのであれば、響き過ぎて演奏しずらい空間となってしまいます。よって吸音率:0.22~0.24程度に設計して響きを整える必要が有るでしょう。

契約時、単体遮音性能・総合遮音性能・室内吸音率などの数値が明確で保障されているか。
工事完了後に完成測定を行い結果報告書を提出してもらえるか。


※曖昧なDr数値(Dr-50´〈ダッシュ〉)などは遮音値では無い値です。

※完成測定が出来ないと言う事は、遮音設計も出来ないと判断出来ます。

※室内音響も、吸音のみでは無く、散乱・拡散も含めて設計してくれる業者さんが好ましいです。

 

おわりに

防音室の構築は決して安い買い物ではありません。

理想の防音室を手に入れるには、あなた自らが「押さえておくポイント」を理解し、自らの選定眼を持って「理想の音環境を具体化してくれる業者さん」を選ばなくてはなりません。

この記事がご参考になれば幸いです。

 

他社様での防音室設置後にお困りの方

「思いを込めて創った防音室なのに性能に納得がいかない。」

「防音工事をしたが、室内が響き過ぎて(もしくは吸音し過ぎて)演奏しづらい。」

「自分が演奏する楽器用の設計がなされていなかった・・。」

「狭い空間でもコンサートホールのようなイメージで演奏したかった。」(プロ演奏者の方)

 

このようなお困りごとはございませんでしょうか?

 

テクニカル・サウンドでは他社様の工事でのお困りごとに関する相談も多く承っております。
弊社でいう「防音」は、音を止める「遮音」と室内の響きを整える「音響」が整っている状態と考えます。本当に演奏者が心地良いと感じる防音室は、「遮音」と「音響」が両輪のように調和していなくてはなりません。

また単に「音を止める」と思われがちな「遮音」も、ただ高遮音な防音室ではなく「お住まいの環境にあった遮音性能」が「適切な遮音」となります。例えば閑静な住宅街と幹線道路沿いでの交通騒音が有る住宅街では、その必要とする「適切な遮音性能」は異なることになります。
同様に「音の響き」である「音響」も、演奏者の演奏レベルや演奏する位置、演奏する楽器にあった設計が求められます。

既に他社様でオーダーされた防音室にご不満の方は一度弊社にご相談下さい。

テクニカルサウンドへ

【コラム】 ピアノの購入をご検討中のマンション住まいの方へご提案

防音工事(音響工事)は、その目的によって通常の建築や内装とはまったく異なる専用設計が必要で、使用する材料も異なります。

それらは当然コストに跳ね返ってきますので「簡単に所有する」という訳にはいかないのが現状です。

また、マンションでは外壁(コンクリート壁)や梁の位置が決まっているため、いざ室内に防音室を設置しようとしても、十分な空間が確保できない事も多く、断念されている方も多いのではないでしょうか?

 

「マスク仕様のピアノ」

マンションでお住まいの方で、これからピアノの購入を検討されている方へは、マスク仕様(静音機能付き仕様)のピアノを選択するのも一つの方法です。

マスク仕様とは、ピアノの発生させる「音」を自ら遮蔽する機能を付ける事で音量をコントロールするというものです。弦の動きを妨げる事がないのでより自然な形タッチが期待できます。

もちろん、音の出口を覆うことによってピアノ本体からの音を抑えるわけですから、「音を遮蔽する」という構造上、多少音が籠りがちになりますし、体感的には通常を演奏を100とすると、60位の音量が発生すると言われています。

また、打鍵やペダルなどによる個体振動音はマスク仕様では防ぐのは難しいと思われます。

 

個体振動音を「ピアノ架台」でカバー

これは、マスク仕様の弱点を「ピアノ架台」でカバーするという発想です。

具体的には、「空気音はマスク仕様で防音」し「個体振動音はピアノ架台で吸収」するというものです。

マンションでは「個体振動音による影響が出やすい構造」により提案する方法ですが、一戸建てのお客様でも有効な選択肢です。

ピアノ架台

 

マスク仕様のピアノに関しては、株式会社浜松ピアノ店様のホームページに詳しく書かれておりますのでリンクとさせて頂きます。

 

また、当コラムでは防音工事の専門家からの視点でしたが、ピアノ伝道師を自認される株式会社浜松ピアノ店の社長様のブログでは、楽器の専門家としての見解が記載されています。合わせてご覧ください。

「ピアノ選びのアラカルト」マンションの防音対策は、ピアノ架台とマスクピアノで!

 

防音室のテクニカルサウンド